Japanese | English
静岡大学公式サイト 静岡大学工学部公式サイト
HOME
NEWS
はじめに
研究内容
主な研究成果
プロジェクト
研究室メンバー
リンク
アクセスマップ

 研究内容

■新規医療材料開発のための生体高分子の低温プラズマ処理
 プラズマを応用する技術は、半導体製造などの電機産業分野をはじめ、医薬品および食品分野など様々な分野への展開が進んでいます。私たちの研究室では、医療分野でのプラズマ技術応用に関して精力的に取り組んでおり、医療・化学を専門とする多方面の人々との交流を通して多くの知見が得られました。その中で、動脈瘤、血管奇形、出血および腫瘍等の治療に利用される塞栓物質の高機能化に対する要望があり、プラズマ処理による機能向上を目指した研究を進めています。
 本研究では、プラズマ処理によりキトサン等の高分子材料に化学修飾を施し、その表面特性を解析すると共に、血液凝固特性に及ぼす影響を調べています。キトサン(図1参照)は、カニやエビの殻などの主成分であるキチンを脱アセチル化することで得られる天然ムコ多糖類で、安価に得ることができ生体適合性および生分解性に優れています。私たちは、キトサンのアミノ基には血栓形成を促進する作用があり、適度にゲル化させることでその効果が高まると考えています。またアミノ基の反応活性を活かした誘導体化により、さらなる高機能化へ応用できる可能性があります。プラズマ照射によりアミノ基の導入率を向上できれば(図2参照)、ゲル化させる際の反応点の増加によりゲル構造が複雑化し、血栓形成の促進が期待できると思われます。


図1. キトサン(Chitosan)粉末


図2. プラズマによる材料表面の化学修飾
 図3は、アンモニアプラズマで処理したキトサン表面をXPS(X線光電子分光法:X-ray photoelectron spectroscopy)により解析した結果です。アンモニアプラズマ処理により、結合エネルギー(Binding Energy)が400eV付近の窒素成分を示すピークが顕在化してくることが分かります。キトサンを構成する炭素(C)、窒素(N)および酸素(O)の構成比率の変化を見てみると、アンモニアプラズマ処理を行った場合、炭素比はそのままで、窒素比が4.7%から約7%に増加し、酸素の比率は減少しています。またアンモニアプラズマ処理を行う前にアルゴンプラズマにより材料表面を処理すると、窒素比率が約10%に上昇しました。


図3. XPSによるキトサン表面の解析結果
 またプラズマ処理したキトサンを用いて血漿カルシウム再加凝固時間を測定したところ、血液凝固時間が短縮する結果が得られました。

【文責:荻野明久(2007.2.13)】
一覧に戻る

Copyright (C) 2006 Nagatsu Lab. All Rights Reserved.