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 研究内容

■表面波励起酸素プラズマによる芽胞形成菌不活化における表面エッチングの効果
 近本研究では、酸素プラズマにおける芽胞菌の形状変化が酸素ラジカルのエッチングによることを実験的に明らかにし、さらにエッチングが菌の不活化とどのような関係にあるかを明らかにすることを目的としています。現在、環境負荷が小さく、低温かつ高速処理が可能な滅菌技術の実用化が病院など医療施設や医薬品をはじめ飲食料品などのメーカーから求められています。そこで、有害な物質を用いず、低温で高速に滅菌処理が可能な新しい滅菌法としてプラズマ滅菌が注目されており、数多く研究が行われています。主な不活化プロセスとして、真空紫外・紫外光(VUV・UV)放射によるDNA損傷効果と酸素ラジカルによるエッチング効果が考えられています。しかし、プラズマから発生する様々な作用因子がどのように菌の不活化に寄与しているかは明らかではありません。この関係を明らかにするために、実験ではマイクロ波励起表面波プラズマ装置を用い(図1)、プラズマ照射した芽胞形成菌の生残特性をコロニーカウント法により調べ、四重極質量分析計(QMS)を用い、芽胞菌からのプラズマエッチング成分の測定、照射による菌表面のエッチング現象に関しては電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて行います。酸素プラズマ処理による生残曲線の測定結果を図2に示します。図中に遮断波長120 nmのLiFフィルターを用いてプラズマ粒子を遮断した場合の結果を示していますが、明らかに不活化効果が大幅に小さくなっていることがわかります。
  

図1. 実験装置:(a)概略図、(b)外観図
  

図2. 酸素プラズマ処理による芽胞形成菌の生残特性
 図3は各マイクロ波入射パワーにおけるプラズマ照射時間と芽胞菌のサイズ変化との関係を示しており、エッチングによる菌の縮小途中で滅菌が確認されています。
  

図3. 酸素プラズマ照射時間に対する芽胞形成菌のサイズ変化
 図4はマイクロ波入射パワー800 Wにおける芽胞形成菌のSEM写真を示しており、酸素ラジカルによるエッチングにより菌表面に損傷が確認できます。これらの結果から、エッチングの効果による菌不活化のメカニズムとして、芽胞エッチングとともに紫外線によるDNA損傷が促進された可能性が考えられます。


Geobacillus stearothermophilus芽胞菌のSEM画像; (a)未処理, 800 W時の酸素プラズマによる(b)60 s処理、(c)360 s処理

【文責:塚ア 旭-修士2年(2011.7.28)】
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